アジアにおける転移性脳腫瘍への放射線治療の実態調査に関する論文がJournal of Clinical Oncology Global Oncology誌に掲載されました(著者:打浪雄介、他)
- 発表論文
Patterns of Care for Brain Metastases in Asia: A Real-World
Survey Conducted by the Federation of Asian Organizationsfor Radiation Oncology
受理日 2024年8月22日
Authors
Yusuke Uchinami, Archya Dasgupta, Kentaro Nishioka, Handoko,Jayant Sastri Goda, Jun Won Kim,
Rizma Mohd Zaid, Ooi Kai Yun, Humera Mehmood, Imjai Chitapanarux, Supriya Chopra,
Hidefumi Aoyama
雑誌名 Journal of Clinical Oncology Global Oncology
https://doi.org/10.1200/GO.24.00222
転移性脳腫瘍は脳に見つかる腫瘍の中で最も頻度が高く、罹患者数は年間数万人以上と推計されています。治療法としては、小数個の転移に対しては腫瘍に限局したピンポイント照射(定位照射)が、多数個の転移に対しては脳全体へ照射する全脳照射が行われることが一般的でしたが、近年の治療装置・技術の進歩や、全脳照射に伴う有害事象の懸念から、近年では従来よりも多くの病変に対しても定位照射が行われたり、手術と定位照射を併用したりするなど、様々な治療の選択肢が増えてきました。どのような治療法を選択するかどうかは病院ごとや国ごとの医療資源の状況でも異なるため、現時点でアジア各国でどのような治療が選択されているかどうかの実態調査として、アジアの14ヶ国が参加しているFederation of Asian Organizations for Radiation Oncology(FARO)を通じてアンケート調査を行いました。今回は13ヶ国の比較的規模の大きな医療施設の放射線治療医32名から回答を頂いており、結果にある程度の偏りがある可能性はあるものの、アジア全体の実情を反映する貴重な結果であると考えています。本研究が新たな臨床研究、特にアジア各国との共同研究へ発展することを期待しています。(打浪雄介、西岡健太郎)