機器開発

機器開発(今まで)

CT治療計画装置、RALS装置 = remote after roading systemを開発し世に送り出しました。現在では世界中で標準的な放射線治療機器として採用され活躍しています。

近年では4次元放射線治療の概念を1998年にCAR’98にて提唱、動体追跡放射線治療装置を開発。同治療法は各方面から広く注目を集め、現在では米国を初め世界各国からの見学者、研究者を迎えています。

  • CTシミュレーター
  • RALS (Remote after loading system)

機器開発(現在~)

 

4次元定位放射線治療の基礎的研究の命題

  1. 4次元定位放射線治療の細胞・動物を用いた実験系を確立できないか?
  2. 金マーカーを入れないで、さらに非侵襲的に、腫瘍の位置を検出できないか?

 

分子イメージングを用いた4次元定位放射線治療の基礎研究の概要

2005年度の特定領域研究1

  1. 2004年までの研究に基づき、2次元座標上の細胞系に対する追跡照射を可能にするための、基礎的実験系の構築をした。

 

コンピューターによる遠隔操作で、1次元的な(X,Y)座標を指定するだけで、その座標にある細胞集団に自動的に任意の線量(Gy)を照射できる標的照射用電子ビームシステムの開発

 

 

標的照射用電子ビーム

 

高エネルギー電子線加速器を用いて、指定の座標に電子線ビームを±0.5mmにて制御する実験。蛍光板面が光る点が、電子線が当たっている部位であり、指定した座標に瞬時に移るのが、右ビデオにて確認できる。

 

2005年 標的照射用電子ビームによるフィルム照射実験(2005)

2006年 標的照射用電子ビーム による2次元細胞系照射実験(2006)

照射装置を固定したまま、ビームを電磁的に2次元的に±0.1mm精度でコントロールし、照射したいがん細胞の入ったウェルだけ照射。

 

電子線による2次元がん細胞系の標的照射

MTS法による生存率の測定

MTS(3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-5-(3-carboxymethoxyphenyl)-2-(4-sulfophenyl)-2H-tetrazolium, inner salt)試薬を入れて、生細胞のミトコンドリア膜に存在するNADHの酸化還元でMTSがホルマザン産物という蛍光色素に変化。490nmの吸光度を測定する。

 

 

2次元細胞系の標的照射装置の今後の利用計画

がん細胞と光イメージングを利用して、光った細胞だけに自動的に電子線照射する実験装置の開発。

がん細胞とポジトロン・エミッター(FDGなど)を利用して、自動的に電子線照射する装置を開発し、標的照射に最適なポジトロン・エミッターをin vitroで予測する。

 

2005年度の特定領域研究2

金マーカーを体内に刺入しないで、PET検査で用いられる18FDGなど、腫瘍に取り込まれる物質を利用して、ポジトロン・エミッターからのγ線を利用した場合に、±1mm以下の位置精度を期待できるのか?という疑問に対して、モンテカルロシミュレーションにて解を得る。

ドグマとして、ポジトロンの最大飛程距離が3−5mmであることから、位置精度の限界が3−5mmと言われているが、平均飛程距離はもっと短い。

 

Electron Trajectory

PETにおける陽電子の挙動解析

消滅γ線の発生点を検出することにより、腫瘍の位置を特定(陽電子放出核種が腫瘍に集積)
立方体の中心に初期エネルギーEp の陽電子を等方分布で解放

陽電子はエネルギーを失いながら運動

近くの陰電子と再結合し消滅(2つの消滅γ線を発生)

 

EGS4 (Electron Gamma Shower Simulator, Version 4) シミュレーション

 

18Fの放出陽電子エネルギー分布:多項式近似

FDG陽電子でのγ線源位置分布

FDG陽電子の動きによる空間分解能 < 1mm

 

2005年度の特定領域研究3

金マーカーを体内に刺入しないで、PET検査で用いられるFDGなど、腫瘍に取り込まれる物質を利用して、腫瘍位置をリアルタイムで把握して、その部位にのみ照射する標的照射装置の基礎的研究(昨日、特許申請済み)。

FDGをマーカーとした動体追跡照射

 

2005年 ポジトロンエミッターの 一方向2次元検出器(2005)

 

2006年 同時計測による位置同定実験 (2006)


●1対の検出器の中心にβ+線源を置き、線源を動かしながら消滅γ線を同時計数率のMCS測定を行った。
●測定はコリメータ径を変えて(φ1,3,5cm)、それぞれについて行った。

 

肺の動きと組織による減衰を考慮した水ファントームによる1次元方向の呼吸運動を模した実験

 

結  果

5mm以上の動きを検出可能なことがわかった。

(周辺の正常組織の取り込みを無視できる場合)

同時計測装置の今後の方向

  1. 腫瘍周囲の正常組織からのγ線の影響を無視できるような計測方法の研究(秘密保持契約のため、未公開)
  2. FDG以外の核種による癌病変の計測の研究

 

 

FMISO自動合成装置による合成に成功

18F-misonidazole (F-MISO); 低酸素細胞イメージング

18F-misonidazole (F-MISO); 低酸素細胞イメージング

 

小動物用PET/SPECT/CTシステム

(未来創薬・医療イノベーション拠点形成プロジェクト)

同様なシステムをH19.4.6 開札 H19.8.1 導入予定
→ 動物レベルでの3次元的PET・CT情報の利用
Dept. of Molecular Imaging, Hokkaido University

まとめ

  1. 2次元細胞系への標的照射用電子ビームシステムを完成させ、今後、分子イメージングとの融合による自動標的照射実験への基盤ができた。
  2. モンテカルロシミュレーションにて、18FDGでの腫瘍位置の最高同定精度はア1mmを期待できることが示された。
  3. 人肺癌を想定したモンテカルロシミュレーションおよびファントーム実測実験にて呼吸性の1次元移動に対して、ポジトロン・エミッターの位置をγ線の同時計測することで、腫瘍位置を把握し得ることが、確認された。
  4. 正常組織からのγ線の影響を無視できるようなポジトロン・エミッターの位置計測装置の開発、18FDG以外の核種による腫瘍位置の同定方法の開発を、次年度以降のテーマとしたい。
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